デザインではなく、アドレスから確認する
見た目がそれらしいことは、最も簡単に偽装できる要素です。ロゴや色、レイアウトをコピーするのは数分あれば足ります。そのため、最初に確認するのはブラウザのアドレスバーに表示されたアドレスです。ドメイン名を一文字ずつ読み、想定しているものと見比べてください。よくある手口は、文字の入れ替えや重複、loginやsecure、supportといった単語をハイフンでつなぐ方法、国コードなど異なる末尾への変更、そしてラテン文字とそっくりな別の文字体系の文字を使う方法です。
アドレスのどの部分が本当のドメインなのかにも注意しましょう。重要なのは、最初の単独のスラッシュより前にある、comや国コードといった末尾の直前の名前です。有名なブランド名で始まり、ドットのあとに見慣れない名前が続くアドレスは、その見慣れない名前の持ち主のものです。先頭のブランド名は単なるサブドメインで、その名前の持ち主が自由に設定できます。
いちばん安全な習慣は、重要なサイトには自分でアドレスを入力するか、ブックマークから開くことです。メールやメッセージ、検索広告のリンクをたどるのは避けましょう。詐欺グループが本物の検索結果の上に表示される広告を購入することもあるため、検索ページの最上部にあるリンクだというだけでは、何の裏付けにもなりません。
HTTPSと鍵マークが本当に意味すること
HTTPSは、ブラウザとサイトの間の通信が暗号化されていて、証明書がそのドメインに対して発行されていることを意味します。入力した内容が途中で読み取られるのを防ぐ仕組みで、パスワードや支払い情報を求めるページでは欠かせません。HTTPSに対応していないサイトには、どちらも入力しないでください。
一方、HTTPSはドメインの背後にいる人が誠実かどうかまでは教えてくれません。証明書は簡単に取得でき、自動で発行することもできるため、フィッシングサイトも正規のサイトと同じように当たり前に使っています。この理由から、鍵マークの表示方法を変更したブラウザもあります。HTTPSは信頼性の証ではなく、最低限の条件として扱いましょう。
ブラウザの警告は真剣に受け止めてください。証明書のエラーや、フィッシングやマルウェアとして報告されたサイトを知らせる全画面の警告には理由があります。先へ進まず、タブを閉じましょう。アドレスバーから証明書の詳細を開けば、どのドメインが対象か、誰が発行したかも確認できます。
サイトの運営者を調べる
信頼できる事業者は、自分が何者かを明らかにしています。会社概要のページ、実際に使える連絡先、そして利用規約、プライバシーポリシー、返金やトラブル対応の明確な説明といった法的ページを探しましょう。あるかどうかを確かめるだけでなく、読んでください。本物の規約は運営者を明記し、サービスの仕組みを説明していて、サイトのほかの部分の記載とも一致します。他社からコピーしたひな形で、他社の名前が残ったままになっていることさえあり、これは強い警告サインです。
連絡手段が事業の種類に見合っているかも確かめます。問い合わせフォーム、サイト自身のドメインのメールアドレス、ヘルプセンターがあるのは普通のことです。匿名のメッセンジャーアカウントでしか連絡できないサイトや、連絡先ページが空のサイトでは、問題が起きたときに頼る先がありません。
公開されているWHOISやRDAPの検索ツールで、ドメインがいつ登録されたかを調べることもできます。所有者情報が非表示になっているのはよくあることで、多くのレジストラが初期設定で隠しているため、それだけでは疑わしいとは言えません。ただ、長い歴史があると称するサイトのドメインがごく最近登録されたものだった場合、その食い違いは気に留める価値があります。
レビューを批判的な目で読む
サイト名に「レビュー」「苦情」「詐欺」といった言葉を加えて検索し、独立したレビューサイト、フォーラム、コミュニティに出ている内容を読みましょう。サイト自身に掲載された利用者の声は、サイト側が選んだものなので、あまり当てになりません。
星の数ではなく、傾向を見てください。本物のレビューは長さも語調もまちまちで、具体的な詳細に触れ、不満も混じります。理想的には、それにどう対応したかを示す返信も付いています。警告サインは、同じ時期に集中して投稿された短い絶賛レビュー、ほかに投稿履歴のないレビュアー、注文が届かなかったといった同じ問題の報告が多数あることです。
開設したばかりのサイトには、単にまだレビューがないだけかもしれません。それだけで詐欺の証拠にはなりませんが、少額から始めて、ここで挙げたほかの確認により重きを置くべきだということです。
支払い方法をよく見る
支払い方法は多くのことを物語ります。カード決済や実績のある決済サービスには、たいていなんらかの異議申し立ての仕組みがあります。一方、個人口座への銀行振込、ギフトカード、暗号資産の直接送金は、一般に取り消しができず、送金してしまうと取り戻すのが非常に難しくなります。取り消せない方法へ誘導するサイトや、通常のチェックアウトの外で支払うと割引すると持ちかけるサイトは、リスクをすべてあなたに押し付けています。
取り消せない方法を受け付けているプラットフォームでも、大切なのは問題をどう扱うかです。支払った後にお金がどこへ行くのか、販売者が実際にいつ受け取るのか、注文が間違っていた場合にどうなるのかを調べましょう。信頼できるプラットフォームなら、登録する前にヘルプページや規約でこうした疑問に答えています。答えが得られないなら、それ自体を警告と受け止めてください。
予期しないリンクから開いたページに、カード情報を入力しないでください。また、メールのパスワードやカードの写真など、支払いに必要のない情報を求めるチェックアウトにも警戒しましょう。
マーケットプレイスでの追加確認
マーケットプレイスでは、プラットフォームと販売者は別の当事者なので、両方を見極める必要があります。販売者が販売前に審査されるか、出品がレビューされるか、販売者のプロフィールに何が表示されるか、問題がどう解決されるかを確認しましょう。取引が自社のシステムの外へ流れていくのを許すマーケットプレイスでは、うまくいかなかったときに頼れる相手がいません。
確認すべき点の例として、rStockの扱いを紹介します。rStockは、独立したストアがアカウントなどのデジタル商品を販売するマーケットプレイスで、プラットフォームがストアの販売開始前に承認し、各出品を公開前に審査します。購入者はrStockの残高から支払います。残高は決済プロバイダーのCryptomus経由で暗号資産を使ってチャージし、代金は保留され、すぐにはストアへ支払われません。暗号資産の送金は、送ってしまうと一般に取り消せないため、チャージの前にこれらのルールを読んでください。納品後は取引トラブルを申し立てられる期間が限られており、最初にストアが回答し、合意できなければモデレーターを呼ぶことができます。ストアのプロフィールには、販売数、評価、保険残高(ストアがプラットフォームに預けている資金)が表示され、スポンサー掲載にはラベルが付きます。
どのマーケットプレイスを使う場合も、問題が起きてからではなく、最初の注文の前にルールを読み、アカウントやサービスを購入するブランドの利用規約に従ってください。
ここで立ち止まるべき危険信号
それだけで確認を打ち切るべき深刻なサインがあります。サイトがパスワードや2段階認証のコード、暗号資産ウォレットのリカバリーフレーズを求めてきたら、リモートアクセスソフトやブラウザ拡張機能のインストールを続行の条件にしたら、あるいは会話や支払いを個人のメッセンジャーへ移そうとしたら、立ち去りましょう。
ほかにも、カウントダウンタイマーや今すぐ行動するよう迫る圧力、ほかより極端に安い価格、話がうますぎる約束、はっきりした理由のない本人確認書類の提出を求める登録フォーム、リンク切れや誤字が多い、どこにもつながらないページなどが危険信号です。ひとつの小さな欠点が詐欺の証拠になるわけではありませんが、複数が重なれば明確なサインです。
サイトが確認を通過しても、安全に登録する
これらの確認を通過してもリスクは下がるだけで、ゼロにはなりません。パスワードマネージャーで生成した、他と重複しないパスワードを使いましょう。おまけとして、パスワードマネージャーは通常、よく似たドメインでは保存済みのログイン情報の入力を提案しません。これは何かがおかしいことに気づくための有益なヒントになります。
サイトが対応していれば2段階認証を有効にし、サービスに本当に必要な情報だけを提供し、買い物や登録用に別のメールアドレスやエイリアスを使うことも検討してください。登録後は、確認メールが登録したドメインと同じところから届いているかを確かめ、すべてが問題なく済んだと確信できるまで、領収書や注文確認を保管しておきましょう。